今日、8月17日は、インドネシアの独立記念日。インドネシアは、3世紀にわたってオランダの植民地支配を受け、1943年から45年までは、「オランダの350年よりも苦しかった」と言われる日本軍政下にあった。1945年8月15日に太平洋戦争が終結し、インドネシアはその二日後に独立宣言をしたが、オランダ軍が再び侵攻し、独立戦争となった。多くの民衆が血を流して独立を勝ち取ったのだ。
私がインドネシアで独立記念日を過ごすのはこれで3回目。官公庁では朝から独立記念式典が行われ、国旗が掲揚される。独立記念日イベントを見たり味わったりすると、インドネシア人の「インドネシアは私たちの国」という思いや、国旗に込められた意味が少しずつわかってきて、感動的だ。他国の支配から独立するというのが、どんなに困難で、しかし達成されたらどんなに誇らしいことか、日本でずっと暮らしていたら、なかなかわからなかったことだ。そして、今の体制とつじつまが合わない国歌を歌ったり国旗を掲揚したりしてる日本はおかしいな、ともう一度考えたりする。
独立記念日には、テレビで、年老いた独立戦争の元兵士がクローズアップされ、特集番組が放映される。今では貧しい暮らしをしている元兵士もいて、日本の被爆者、戦争体験者と同じように、この人たちの体験や声は若い人々にもっと伝えられなければいけないな、と思う。
ちなみに、独立記念日のある8月は、庶民の町ではさまざまなイベント、コンテストが催される「お祭り月」。独立記念行進コンテストのほか、仮装行列・お父さんの料理コンテスト・女装コンテスト・お母さんの大工仕事コンテスト・木登り競争・踊りコンテスト・などなど、お祭り行事がもりだくさん。町内の広場は休みのたびに、いや、平日でも夕方になると「○○コンテスト」でわいわい盛り上がる。